大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)1517号 判決

〔抄 録〕

控訴趣意第二点について。

原判決が、被告人は栗西宏及び永田茂と共謀し若しくは被告人単独で各判示日時頃、判示の場所で覚せい剤であるネオアゴチン注射液一万本ずつ合計二万本を製造した旨判示していることは所論のとおりであるが、ネオアゴチン注射液が被告人の製造した覚せい剤の商品名であることは原審公判廷における被告人の供述及び被告人の司法警察員並びに検察官に対する各供述調書の記載に徴しこれを窺い得るところであるのみならず、当審における鑑定人秋谷七郎作成の鑑定書中の記載によればネオアゴチンは化学名フエニル、メチルアミノプロパンの商品名であることが明らかであるから、いわゆるネオアゴチン注射液は覚せい剤取締法第二条第一号所定の覚せい剤に該当するものといわなければならないのである。即ち原判決は本件製造にかかる製品を化学名に従つて「フエニルメチルアミノプロパンを含有する注射液」と判示せずに、「覚せい剤であるネオアゴチン注射液」と判示したに過ぎないのであつて、そのいずれの表現によるも、要は判文上被告人が覚せい剤取締法にいわゆる覚せい剤を製造した事実を判示すれば足りるのであるから原判決の判示するところによるも、罪となるべき事実の判示として欠けるところはないものといわなければならない。これを要するに、原判決には所論のような理由不備の違法は存しないから論旨は理由がない。

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